マサキさんの過去に触れることができて、少し嬉しくなった。


「食べよ」

「はい」


テーブルを挟んで向かい合うと、マサキさんは手を合わせた。


「大きな声で、いただきます!」

「あ、いただきます!」


見たことのない炒めものに箸を伸ばした。


「ん、おいし……」

「俺に料理任せられるっしょ?」

「はい!」


思わず頷いちゃったけど、さすがにいけないよね。


「あたしだって料理くらいできますよ……」

「元板前には適わないって」


そう言ってイタズラな笑みを浮かべた。