「マサキさん、亮也が使ってたのでいいですか?」 「他にない?」 「あー、あたしの予備であれば」 「んじゃそれ」 男の使ってたのは無理ってことなのかな。 あたしは予備のために買っておいたお箸を用意した。 食卓にマサキさんの手料理が並び出す。 色鮮やかで、食欲をそそられる。 「俺昔ね、これでも板前だったんだよ」 そう言って得意げなピース。 「へぇー、っぽくないですね」 「見た目がね。俺も思う」