普通どおりに歩くけど、後ろをついてくるマサキさんが気になって仕方ない。 でもいい人なのはなんとなく分かるから、疑ってはいない自分がいる。 「雪ちゃん」 「は、はい?」 振り返ると彼は、オレンジ色の夕日を見ていた。 「明日は晴れだね」 「……そうですね」 「雪ちゃん、過去ばかりにとらわれちゃダメだよ」 「え……」 視線をあたしに向け、マサキさんは悲しく微笑んだ。