「雪乃ちゃーん、今日お客さん来ないねー」 つまらなさそうに店長が厨房に入ってきた。 「そういう日もありますよ」 「そうだけど……」 「もうすぐお昼時だし、これからですよ」 「だよね」 あたしは拭き終わったグラスを片付け、店長と一緒に厨房を出た。 ガラリと空いた店内。 これは確かにつまんないな。 少しして、お客様第一号が来た。