時はすぐに経過して、もうお別れの時間。


亮也はいつもあたしをアパートの前まで送ってくれる。



「いつもありがとね」

「うん。それじゃあ、また明日」

「またね」


最後に、彼はあたしの唇にキスを落とした。


ふわっと亮也の香りがして、離れたくなくなっちゃう。


けどここは我慢。


明日もお仕事だから泊まらせる訳にはいかない。



「気をつけて帰ってね」


彼の背中が見えなくなるまで、あたしは手を振り続けた。