「あ、ありがとうございました!なんてお礼言ったらよいか……」 「そんな、俺は大したことしてないけど――」 「いえ!大事なものだったから。本当にありがとうございます」 あたしは力強くキーホルダーを握りしめた。 無くせるはずのない亮也との思い出を、もしこの人が見つけてくれなかったら大変なことになってた。 「良かった……」 「そんなに大事なんですね」 「はい」 「気づけて良かったよ」 にっこり笑った彼は、やっぱり女の子のようだ。 しかもかなり美形の。 思わず見とれてしまった。