カフェオレ




「あ、ありがとうございました!なんてお礼言ったらよいか……」

「そんな、俺は大したことしてないけど――」

「いえ!大事なものだったから。本当にありがとうございます」


あたしは力強くキーホルダーを握りしめた。


無くせるはずのない亮也との思い出を、もしこの人が見つけてくれなかったら大変なことになってた。



「良かった……」

「そんなに大事なんですね」

「はい」

「気づけて良かったよ」


にっこり笑った彼は、やっぱり女の子のようだ。


しかもかなり美形の。


思わず見とれてしまった。