しばらくバイトはお休みをもらうことにした。


ずっと家に籠もったまま、亮也との思い出を探した。



一緒に撮った写真やプリクラ。

2人で選んで買った茶色いマフラーや、お揃いのキーホルダー。

そして、彼の家の合い鍵。


亮也はいないのに、思い出ばかり溢れてくる。


それがまたあたしの心を傷つけるんだ。



あたしの左手の薬指には、あの指輪がある。


こんなのつけてたら彼氏いるって思われるから、好きな人なんてできても実らないだろうな。



自嘲気味に笑って、あたしは部屋を出た。