「あたしにとって、亮也は何よりも大切なんです……忘れるなんてできないんです!」


泣き叫ぶあたしを、おばさんはぎゅっと抱きしめてくれた。


「つらくなったらいつでも相談のるから。もし好きな人ができたら隠さずに言ってね」

「ありがとうございます」


嗚咽のまじった声であたしは言った。





きっと忘れるなんてできないの。


亮也はあたしのすべてだから。


彼を失った今、あたしには何も残ってない。


空っぽのこの身体で、生きていかなくちゃいけないの。