中から出てきたのは、小さな立方体のもの。


それがいったい何なのか、すぐに分かった。


そして、糸が切れたように目から大量の涙。


「うっ……」


おばさんがあたしの手からそれを取り、パカッと開けた。


中から出てきたのは、やっぱり指輪だった。



「亮也から聞いてたわ、雪乃ちゃんにプロポーズするって。なのに……」

「おばさん!あたし……」

「雪乃ちゃん!もう亮也はいないの!お願いだから、あの子のこと忘れてあげて。まだ雪乃ちゃんは若いから、いい人はたくさんいるから、ね?」

「嫌です!……その指輪、貰っちゃだめですか?」

「雪乃ちゃん……」


あたしは手を伸ばした。


おばさんの手から指輪を取り、強く握りしめた。