ここはどこ?


暗い部屋。


部屋というか、まるで宇宙のようだ。


壁も床も天井もない。


ここはいったい―――



「雪乃」

「えっ……」


聞き覚えのある声に振り向いた。


そこに立っているのは、紛れもなく死んだはずの亮也だった。



なぁんだ、あたしも死んだんだ。

だから亮也がここにいるんだ。



あたしは彼に歩み寄ろうと足を踏み出した。


すると、その分彼が遠のいた気がした。


不思議に思ってもう一度踏み出してみる。


やっぱり彼は遠のく。