「マサキ……」 「久しぶりだね」 あの時と変わらない。 茶色い髪も 女の子のような顔立ちも 優しく響くその声も 何も変わってない。 「真華は大きくなったな」 「あの時のおにいさんだぁ」 真華はマサキに走り寄った。 マサキは彼女を持ち上げ、それからあたしを見つめた。 「ごめんな、急に出て行って」 「ほんとよ!あたしの気持ちなんか無視して、ずっと会いたかったんだから!」 視界がぼやけ始める。 こらえていたものが全て流れるように、大量の涙が溢れた。