あたしたちは家に入った。
真華を着替えさせておやつを食べさせている間、あたしはクローゼットの中からアルバムを取り出した。
それは、亮也との思い出のもの。
真華に亮也のことを話しておこうと思ったんだ。
あたしはリビングに戻り、おやつを食べる彼女の前でアルバムを開いた。
「真華、この人見て」
2人で撮った写真を見せ、亮也を指差した。
「だぁれ?」
「ママの好きだった人。真華のパパよ」
「パパ?」
「うん。でもね、もう死んじゃったの」
まだ話すには、真華は幼すぎたかもしれない。
だからか、彼女はよく分かってない様子だ。

