「ママ、マカおなかすいたよ〜」
「どこか食べに行こうか。今日は真華のお祝いの日だからどこでもいいよ」
「やったー!マカね、大きなハンバーグ食べたいの!」
「いいよ、ハンバーグ食べに行こうね」
本当に嬉しいのか、真華はスキップをしながら歩く。
素直に喜ぶ彼女の姿を見て、あたしは微笑ましい気持ちになる。
真華は覚えてないのかな、マサキのことを。
父親のように接してくれていた彼の存在を。
でも忘れた方がいいんだ。
寂しい気持ちにはさせたくないから。
それでもあたしは、もう一度会いたい。
そして伝えるんだ。
“好き”って言葉を―――

