あの人があたしの前から姿を消して、約3年が経った。 「ママぁー!」 幼稚園の制服を着た真華が、あたしに向かって走ってくる。 今日は真華の入園式だった。 桜の花びらが散る中、あたしと真華は手を繋いで歩く。 「真華、お友達できるといいね」 「うん!」 こちらを見上げて頷く娘は、やっぱりとても可愛い。 真華には父親がいない苦しみを味わせてしまった。 でも彼女はとてもまっすぐに育ってくれた。 だからあたしは十分満足だ。