マサキは意地悪だ。


あたしがマサキのことを好きだって知ってるくせに、言わせてくれない。


まるで、それが許されない恋のように……





あたしは立ち上がり、自分の部屋に戻った。


ベッドに潜り込み、声を押し殺して泣いた。



「好き…マサキが好きなのに……」



ずっと一緒にいたのに、想いを届けることだけができないままだった。










次の日、

マサキは朝早くバイトに行ったまま、二度とこの家には戻ってこなかった―――……