「俺は、亮也の代わりに雪乃を見守っていこうって決めたんだ。親戚のおじさん感覚でね」


そう言ってマサキはあたしを抱きしめた。


「でも、ダメだったんだよ……」

「えっ?」

「俺は、雪乃を好きになってしまったんだ」



あたしの目から涙が流れ始めた。


マサキがあたしを強く抱きしめるから、胸が苦しくなる。



「好きだ…亮也と約束だったのに、ごめん……」

「マサキ!あたしも――」

「雪乃、俺もう寝るから」

「えっ……?」


“好き”って伝えようとしたのに、マサキは最後まで言わせてくれなかった。


「明日も朝からバイトだから」


彼はあたしから離れて布団を敷き始める。



「どうして……」

「雪乃も早く寝なよ」

「なんでよ!」

「おやすみ」