ホームレスな御曹司…!?

「あたし…あたし、ね。広樹といても心の穴を埋められなかったんです。あんなに想ってくれた広樹にキスすらできなくて、傷つけて。それは、ね、置き忘れちゃったり目隠ししたり、鍵をかけてしまった心のせいだったんです」


「うん。その封じた心って?」


「あたしも…近文さんの事が…ス、キ…」


「だよ、な?」


「…え?」


「知香が目を反らしてた心、オレには見えてた。オレだけにくれてたキスが、その証拠だろ?」


2度のキス。


意味なんてないと思ってたキス、に。


あたしは…あたしは気持ちを乗せてた、の?


あたしには近文さんの想いは見えてなかったのに。


近文さんは感じてたの…?


「知香の気持ち、オレはもらってたから」


そう言って。


近文さんの顔が近づく。


重なりそうになる唇に、あたしは目をつぶる事ができない。


だって。


だって…。