ホームレスな御曹司…!?

…へ?


「あた、し…?」


「だからそうだよッ。何回も言わせんなっ!」


「あたし…何もしてません」


「失業して迷って焦って、明日を探すために自立を諦めない知香が、なんつーか…人間の心だな、っつーか、さ…。まんままるごと心だったんだよッ。オレが触れたのは、知香の心だったんだよッ」


「こ、こ、ろ…?」


「もう一度言うよ。オレは知香が好き、なんだよ」


「近文…さん…」


「知香の気持ち、見せてくれるか…?」


思いがけない近文さんの言葉に、あたしは上昇する体温をコントロールできなくて。


肩にかけられたブランケットをほどき、膝の上で力いっぱい握り締めた。