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ーーーーーーキーンコーン。
「まだ来ない」
藍沢くんの方から誘ってきたくせに。
確かに喧嘩をしてる事はびっくりしたけど。
あたし、わざわざ先生にチクる人だと思われてたのかな。
それはそれで、悲しいな。
ーーーーガラッ
教室のドアが開く音が聞こえた。
「ーーっ!わりい‼遅れた!」
藍沢くんだ。
自分の頬の筋肉がほころぶのが分かった。
「葵、わりいな。遅れて。」
「ううん。全然大丈夫。」
「そっかあ。良かった。」
ホッとした表情でふにゃっと笑う藍沢くん。
可愛い。
ホントは、少しイラっときたけどね。
でも、藍沢くんの笑顔が見られたから、ちょっと幸せ。
えへへ。この話は藍沢くんに内緒だよ?



