みさぎ村は15年前の大火事で村の全てが燃えてなくなってしまった。

それでも、ここには残っているはずなのだ・・・
15年前、ここで何が起きたのか。





まだ、火事の跡が強く残っている土地に立ち
正人は物思いにふけっていた





この地に来て1ヶ月
近隣の村々にみさぎ村の事を聞いてきたが
みな「みさぎ村の事はよくしらない」
と言うだけだった・・・

どうやらみさぎ村は
山に囲まれた血にあったせいか
近隣の村ともあまり交流がなく
独自の文化を作り上げていたようだ





最近、ネット上で最近話題になっている黒ノ華の噂
それを確かめるためにココに来たのだが・・・

「ここにきたら、何か分かるかと思ったんだが。無駄足だったか・・・」





泊まっている宿舎に帰るとお客が待っていた。

「おぬしがみさぎ村のことを知りたがっている記者か?」

腰の曲がった80くらいの婆さんだ

「貴方は?」
「私は、近隣の村に住んどるんじゃよ」
「はぁ・・・」
「実はな、ぬしに1つ言おうと思ってな。もうこれ以上みさぎ村に関わっちゃいかん」
「っ!何か・・・知ってるんですね?あの村について」
「関わっちゃいかん!おぬしも、死ぬことになるぞ」
「・・・覚悟はしています、だから、だからどうか教えてください!」
「はぁ・・そうか、分かった」

老婆はため息をつき語ってくれた
みさぎ村にあった風習のこと
15年前、みさぎ村がどういう状況にあったかを

「なぜ、そんなにもお詳しいのですが?」
「妹が、みさぎ村に男に嫁いだのさ・・・」
「妹さんですか?今、どちらに」
「15年前の火事で死んじまった」
「あ・・・、それはその 」
「もういいさ、ずいぶん前のことだ。だが、妹の孫は生きている、彼女達に聞けばもっと深い事が聞けるだろぅ」
「ホントですか!その方に連絡をとってもらえないでしょうか!」
「わかった、しかしな・・・気をつけなさい、あの村のことを深く知ることは危険じゃ。2年前にもぬしと同じようにみさぎ村のことを調べていた女がおったが・・・結局死んでしもぅた。可哀想に・・・深く、知りすぎたのじゃ。そなたも、そうなりたくないのなら、程々に手を引くべきじゃ」





老婆の語ってくれた話は
今まで聞いてきたどの話より興味深く
また、不気味だった。

会って、話してみなくては
生き残ったという女性に
そうすればきっと、見えてくるはずだ
彼女たちは知っているのだろうか

15年前、あの村であっとこと
そして明日香がなぜ死んだのか・・・