析斗と呼ばれた少年は、拓斗の手を取り一緒にアーチの坂道を登りきる。 2人が登りきった先にあったのは、城とも言える大きな一軒家。 「やっぱり凄いなぁ。」 析斗は、見上げて漏らす。拓斗は、横で頷く。 実は、この豪邸を建てたのは…この2人だ。しかもポケットマネーと言うから更に驚きである。 2人は、兄弟のように仲良し。名前も一字しか違わないが“兄弟”では、ない。 「あっ、析斗!」 「ん?」 出来栄えを確認中の析斗は、生返事を返す。