【目覚めてもらう。我は、奴を倒す。 プリンセス…貴女に華を…。】 男は、赤黒い花びらの華を少女の胸に入れる。 少女は、床に落ちる。 「月叶!」 父親は、落ちる寸前に娘を抱き留める。 【大事に育ててくれよ。必ず迎えに来る、プリンセス。】 男は、そう言うと空気に溶けるように居なくなった。 ※ ※ 「パパ。」 懐かしく愛しい声に振り向いた。 「月叶!」 海外留学をさせていた娘の突然の帰国に驚いた。 「ただいま、パパ。」