「飯、まだ作ってないの?」


背中越しに聞こえる声。


顔を見なくても、声が高圧的で

偉そうで、イライラしているのが分かる。


「本当におまえトロイなー。
 何もできねーもんなぁ。」

そういって彼は私の隣にやってきた。


高い身長を、見上げる。


「ごめんなさい。
 あと10分ほど待ってください。」

そう哀願した私に、彼は私の鼻をつまんだ。