恋愛なんて楽しくなくちゃ!

「まっ、待って待って!」

慌てて横に逃げようとしたけど、時すでに遅し。

私の左右にはスラリと伸びてきた腕。前には恐ろしいくらい整ったキレイな顔。

つまり、逃げ道なし。

「あっ、あのさぁ!」

何とか話をして、この雰囲気を壊さなきゃ大変なことになる!

「話を代えようとしてもだめ。」

あっさり見破られてしまった…。ダメだ。どんどん顔が近づいてくる。

こうなれば、私に残された手段は…。

「ごめんっ!」

ガツッ!

「いっ…た…」

さっきまで見下ろしていた顔が、うずくまって足を押さえてる。

そりゃそうだろう。弁慶さんも泣いちゃう所を思いっきり蹴っちゃったんだから。

「本当にごめんね!」

口では謝りながらも、足は一目散に駆け出した。

こうでもしなきゃ…逃げらんないんだもん!