東櫻の華



しゃがみ込んで痛がっている樹を置いて、出口までダッシュで走る。



「俺に近付くなっあほ!!!」



そう言い残して階段を駆け降りた。



「……おもしれぇ女」



そんなあたしに、樹の言葉など聞こえるはずもなく。