ヨーロピアン・ナイト


カトレアの怒鳴り声により、辺り一面がシーンと静まりかえった。

ガラスの破片が散っている大きな部屋は、むごたらしい姿になっているが、やはりその中には緊迫した空気があった。


王宮にいるだれもが、疑問を抱く。

何故ーーーー

何故、この平穏な王宮にーーー…........

召し使いも、貴婦人たちも、随分おびえた様子で、固まってしまっている。




しかし、それはほんの子供騙しに過ぎないコトだったのだ。

カトレアたちのいる部屋のドアが勢いよく開く。

「王女様、御前失礼いたしますっっ」

大きな声と共に数名の執事が入ってきた。

ガラスが割られ、その様子や、外の不自然な様子がないかどうかを確認してきた者のようだ。