自分から電話をかけるのは
まだ数回しかない。


だから緊張する。



プルプル…プルプル…




『どした?チビ。』


出た。

まさくんだ。


「あ、あのね。
渡したいものがあるんだけど、今なっちゃん家にいる?」



『あ、今はいねえな。
つか、渡したいものって?』


「そ、それは秘密だよ。」


『なんだよ。ケチ…
じゃ、今から迎えに行くからよ。』




「わかった~。」




今からまさくんが来る!



メイク気合い入れて良かった♪





家の前で待ってると…


「クレハ姉ちゃん!
ひ~くんさっき出てった…」


クレハ姉ちゃんが泣きながら帰って来た。



「どうしたの?」


「日向のバカ!わからずや!…グズ…」




玄関で号泣するクレハ姉ちゃん…



いったいどうしたのだろうか…



「と、とにかくひ~くん
なら聖夜くんのところだよ。」



ひ~くんは家出すると
聖夜くんの事務所に行く。

妹はお見通しなんだから!



「うん。
行ってくるよ。」



クレハ姉ちゃんに事務所の場所を教えた。




クレハ姉ちゃんとひ~くん大丈夫かな。





別れるとか嫌だな~。



だってクレハ姉ちゃん、いい人だし、


毎日違う女の人と遊んでるひ~くんが変わったんだもん。




仲直りしてほしいな~



なんて思ってると…



「チビ!」


まさくんの車が来た。