遠い距離



「樹君。」




俺はカバンの中から川星さんの携帯電話を差し出した。




「これ……」




「そうです。川星さんのケータイです。

昨日、樹君がたまたま事故を目撃して拾ったそうです。」




「まさか知り合いの方に……なんて偶然なのかしらねぇ。」