遠い距離



「どうぞここへお掛け下さい。」



「いや…お気遣いなく…」



「いいの、いいの。さ、座って。」



「失礼します。」



そう言いながら俺は香奈恵さんの隣の席に腰かけた。


俺はついっと川星さんの眠るベッドへ視線を移した。


初めて川星さんの顔を近くで見た。


彼は息をしているのか不思議なくらい静かに眠っていた。


写真で見たのとはまた違う感じを受けた。
とても整った顔立ちで、一言で言えば感じの良い好青年だった。