遠い距離



ガララ…



扉を開けると、そこには赤木さんは居らず、畑夫妻の老婦さんがいた。




「こんにちは。」



「あら…あなたは昨日の…新垣さん?」



「はい。…失礼ですがお名前を伺ってもよろしいですか?」



「私は畑香奈恵と申します。ちなみに主人の名前は彰(アキラ)です。」



深々と頭を下げられ、慌てて俺もそれにならう。


礼儀正しい人だった。