「そうして一年ぐらいが過ぎた頃、会社で彼の頑張りが認められ正社員になり、彼はますます才能を発揮し、いわゆるエリートの地位まで登りつめた。」 彼の努力が報われたんだ… 「しかし、エリートとなった彼は海外主張、転勤等大忙しで沙羅さんとは会えない日々が何年も続いた。」 まさか…… 「――そう。彼が交通事故に遭った日は数年ぶりに彼女と再会できる特別な日だったんだ。」 俺に何度も嬉しそうにハニカミながら語ってくれたんだ、と赤城さんは温かい目をして話を締めくくった。