遠い距離



「……そうだな。協力してもらうためには少し話しておくべきだよな。」




ゆっくりと赤城さんは口を開いて語り始めた。




「翔はな、中学生の頃に両親を亡くし、親戚の家のお世話になってる。


畑夫妻は良い人達だが、やはり"親戚"の人だ。随分気を遣って生きていると思う。…アイツは決して口には出さないけれど。」




中学と言えば物心もつき、誰もが思春期を迎え、大変な時期だ。そんな時に両親が亡くなるのは相当辛いはずだ。