病室へ川星さんと共に向かう老夫婦とは別に俺と赤城さんは病院を出ることにした。 近くの公園のベンチに腰掛け座る。 病院からお互いにずっと無言だったが、その沈黙を赤城さんが破った。 「…………あのさ、」 空を見ていた赤城さんが今度はこちらを真剣な眼差しで見つめている。 「沙羅さんからメール来なかった?」 それは、唐突な質問だった。