遠い距離



だけど、


私は――――…




『もう少し返事は待ってくれない?』




こんな言葉を口にしていた。




『分かった。

……他に好きな人が?』




『いいえ、気になる人が。……ちゃんとこの気持ちを確かめてから、返事をしたい。』




『そっか。…いつも沙羅ばかり待たせているから、たまには俺が待つよ。』




彼は苦笑混じりにこう言った。