遠い距離



翔…


抱きしめたりしたら、手話できないよ…


話せないよ…




ゆっくりと私達の体が離れると、彼は今までにない顔で私を見つめている。




『沙羅。』




彼がそう呼びかけた様子はどこか緊張感を漂わせていて――…




『沙羅、俺と結婚してくれないか?』




私の大好きな人からシンプルだけど、素敵な贈り物を私にくれた。