遠い距離



『あ、すみません。ここで少し待っていてくれますか?』




公園に置き去りにした弁当を片付けに行かないと。


彼女がコクリと頷いたのを確認してから俺は走り出した。




運良く弁当はブランコに乗ったまま、地面に落ちることなく置いてあった。


急いでカバンにしまう。



沙羅さんの元へ戻ると、沙羅さんが唐突に言った。




『もしかしてお昼まだなんですか?』