遠い距離



「…君が新垣樹君かい?」




見ると、メガネをかけた知的な感じの若い男性が俺に声をかけてきた。




「はい。あなたが赤城涼さんですか?」




「そうだよ。良かった。人違いじゃなくて。」




そう言って彼は爽やかに微笑んだ。