遠い距離



「恐いのか?」




それは俺の胸にすんなりと入ってくる言葉だった。


あぁ…分かった。


俺は恐かったんだ。



海希との関係じゃない。
明日香を傷つけてしまうことでもない。
気持ちを打ち明けることでもない。



俺は―――…




沙羅さんに恋をした自分が恐かったんだ…



何年、遠く離れていても相手を一途に想い続けている沙羅さんに……


俺は恋をした。


俺は2人の間に入ってはいけない邪魔者なのに。