遠い距離



「んなわけねーだろ。」




そう言った俺は内心、心臓がバクバク動いていた。




「本当かよ?」




「しつけー海希。」




「まぁまぁ、渡部先輩。早く行かないと講義遅れますよ。」




―――多分、明日香には気づかれている。




俺が沙羅さんに恋をしてしまったことを。