「なぁ、1つ聞いてえぇか?」
「なに?」
屋上から体育館を見れるから
そこに出入りする生徒とかを見てたら
新垣が話し掛けてきた。
「そんな、ムリして疲れへんの?」
「え?」
「いや、ムリして笑ろてんちゃうかな…って。違うんやったらえぇねん。気にせんといて」
アタシは、初めてそんなコト言われて
ビックリしちゃって新垣をガン見しちゃった。
「なんで、そう思ったの?」
「いや、俺な人間観察が趣味やねん。ほんで、佐倉見てたら楽しくなさそうにしとって…」
「なのに、笑ってた?」
「そう」
アタシもそういうつもりとか全然ないんだけど
無意識にムリして笑顔を顔に張り付けてた。
あたしが1人にならないための最終手段。

