2006年ごろ、日本の都心部では、妊娠女性の流産の急増が、表面化しつつあった。

確率にして3人に2人は流産してしまう。

原因は不明。妊娠8ケ月ごろに胎盤がぐらつきはじめ、胎児は成長することが出来ずに、そのまま体内で死亡。腐ってしまう。

運よく生まれても、すぐに死亡。

新生児の数は激減した。

人々はこれを「腐り病」と呼び、口々にその原因を噂した。

しかしその原因は、誰にもわからなかった。