ジョン・キンバリー博士のもとにその報告が届いたのは9月のことだった。

現地の医師は、死因不明ということで、その扱いを小児内科の専門家でウィルスにも造詣が深い、ワシントン州立病院のジョンに依頼することにしたのだった。

ジョンは小児外科医として世界的に有名な今年67才になる男。

彼の調査によるとこのようなケースは、他にニューヨークで2件、ワシントンで1件報告されており、しかも特徴がよく似ていた。

患者はすべて新生児であり、すべて心臓機能の停止、そしてその患者は死後まもなくの解剖にもかかわらず、全身が腐敗していたこと。

キンバリーは、何かのウィルスが原因と考え、調査を進めていくことにした。

しかしこの原因不明の奇病はジョンをあざ笑うかのように次々と患者を増やしていった。