音の中心地にいた動物は、見たことがない動物だった。

そいつはひどく小さく、複雑な造りで、奇抜な色をしていた。

片手に乗るような大きさのくせに、あれだけ大きな音を出していたとは感心する。

残り10歩程の距離になった時、あちらがこちらに気付いた。

「 」

何か言った。

「 」

また言った。

そいつは鳴き声を止め、こちらに寄って来た。

「 」

ゆっくりと、また何か言った、そして、そいつは倒れてしまった。

「・・・・・・しかたねぇな」

ここに置いていくと多分何かに食べられてしまうだろう、そうなると後味も悪いし、そしてなにより、この見たことがない動物にジロウはひどく興味をそそられていた。

軽い。

片手で持ち上げてみると思っていた以上に軽かった。

「みんな驚くだろうな」

珍しい獲物を肩に担いで、ジロウは村へと足を運んだ。