少しコールすると榊原チャンは電話に出た。
『もしもし?』
「あ、榊原チャン?俺、吉久だけど。」
『わかるよ、登録してるんだから。』
クスクスと笑い声が聞こえる。
榊原チャンとはアドレスと一緒にケー番も仲良くなってすぐに交換した。
「悪いけどさぁ、会いたいって奴がいるんだ。駅裏のファーストフード店わかる?」
『あたしに会いたい人ぉ?駅裏のね、わかるよ。』
首を傾げてるのがわかる声音だった。
「ちょっと今から来れる?」
『うん、大丈夫。30分くらいでつくから。』
「わかった。後でね。」
『うん。』
電話を切り、再び店内に入る。
「呼べた?」
里乃が緩く首を傾げる。
「あぁ。」
「どんな人か楽しみ。」
里乃が珍しくニヤッと笑った。

