「いや、驚いて…。」 うん、そうだ。 そうしとこう。 「いるよ、好きな人。」 里乃がポツリと呟いた言葉に俺は、 ――――ズキッ 小さく胸が痛んだことに気がつがついてしまった。 「理月クンはいる?」 「…いや、いない。」 その答えに里乃は一瞬悲しそうな表情を作った。 「なんだよ…?」 「へっ、いや、からかえなくて面白くないなぁー、と。」 その答えに思わず机越しにも関係なく里乃を叩く。 「いたいなぁ!!」 「お前が悪い。」