【ある日の事情】
~唯也side~
ある学校の昼下がり。
俺は羽柴や砂原と何気ない話で時間を潰していた。
「てか・・・月島、あれはイイのか?」
砂原がチラッと廊下に目をやる。
前から思っていたコトだが、砂原ってのは意外と気苦労性だ。
廊下では綾乃が別のクラスの男と話をしている。
男は下心見え見えで、綾乃も満更じゃなさそうな顔をしている。
「別に?」
強がりでもなくそう答えた俺を、羽柴が怪訝そうに見詰める。
「わっかんねぇ~。俺なら即行男を殴り倒して、カノジョ奪還すっけどなー。」
なぁ?と相槌を求められたのは羽柴の後ろの席の里中夢雨。
羽柴のカノジョだ。