+++唯也の事情+++
予想外なほど予想外な綾乃の両親がやってきて、綾乃を連れて帰って行った。
や、
あの両親は反則だろう・・・
挨拶だか礼なのかノロケなのかまるで分からんカンジ。
あのイチャツキぶりは、目のやり場に困るを通り越し、胸やけの領域だ。
それでも少しほっとしたのは、マジで両親が帰って来ないようなサミシイ家庭じゃなかったってコトで。
あんな甘ったれの寂しがりじゃ、絶対そんなの堪えられねぇから・・・。
「はぁ~あ。綾乃ちゃんいなくなっちゃったら、途端になんか華やかさがなくなっちゃったわねぇ。」
夕方になり、オフクロがそんなことを言いながら洗濯物を取り込みに行く。
空良はあからさまにテンション落としてやがって、今日は一日中一人遊び。
不機嫌だから構うなオーラが出まくってるので、それに従って無視しといた。
俺は・・・
別に気にしてねぇよ。
そもそも何の接点もないクラスメートで、元に戻っただけの話だ。