***綾乃の事情***







次の日。


動揺気味のアタシを余所に、唯也は相変わらずシレッとしてる。


幸いなことにママと空良もいるからヨカッタ。

ママがお休なのに唯也もバイト行かないなんてメズラシイ事なんだけど。

昨日、無理矢理バイトをねじ込まれたから、今日のバイトは休みになったらしい。


唯也は部屋の片づけ。

アタシは洗濯物を干してきて、リビングに戻ったところで、携帯が鳴った。


名前を確認して・・・顔が引きつった。



「・・・もしもし?」


電話に出ると案の定の声。

渋々ながら、相手に問われるまま応えて

いきなりトンデモナイコトを言いだした相手に慌てた。




「は!?イイってば!!!ちょ、ねぇ・・・っ!!」



切れた・・・電話。





「どうした?」




愕然としていると、唯也が心配そうに尋ねてきた。


ママや空良まで心配そうな顔でアタシを伺っている。



言いたくないけど・・・

言わないワケにはいかない、よね。



「・・・・今から両親が・・・・クルって。」