+++唯也の事情+++ 顔に間近に迫った壁を感じながら ひたすら寝た振りを決め込む、俺。 さっき手を繋げって催促を拒否って大人しくなったから、多分、寝ただろ。 ・・・ったく 危機感もなく甘えてくんじゃねーっての。 今、振り向くのは絶対ムリだ。 それこそ、『手を出す』が言葉通りの意味になる。 ・・・俺は欲求不満かよ? ・・・ハァ。