甘たれツンデレ女王と俺様ジミ男の恋愛事情(二乗)


間にいる空良の分だけ向こうから手が伸びてくる。



髪を梳くように頬をなぞる優しいての感触に、心臓がドキドキと忙しなく鳴る。

こんな静かな場所じゃ、唯也に聞こえちゃいそう・・・




そんな心配をしていると視界が影で覆われた。





ふわっと唇に柔らかい感触。






今度は幻なんかじゃなくて、ちゃんと触れてるって分かる。

きゅんと胸が痛い。


押し付けられるようにして触れた唇がそっと退いて、

歯がゆいような感覚に襲われる。







キスなんて所詮口同士が触れ合うだけの行為だ、とか。

映画みたいにキレイで格好イイキスがしたいだとか・・・

これまでそんなことを考えていたアタシは、アホだ。




そんなんじゃなくて・・・・









もっと触れて欲しい。






触れたら、簡単に分かってしまった。